トライボロジーという用語は、『摩擦』を意味するギリシャ語『tribos』にちなんで名づけられたものです。1966年に初めて英国の教育・科学省のレポートの中で定められました。そこには、『相対運動を行いながら相互作用を及ぼし合う表面、およびそれに関連する実際問題についての科学と技術』と定義されています。具体的には、摩擦・摩耗・潤滑などをその対象とし、これらの問題における物理学、材料科学、応用力学などを含んでいます。
米国では、1979年当時のカーター大統領により、トライボロジーをgeneric technologyの一つと宣言されました。これは、一つの産業としては小さいけれども、様々な技術や産業におけるトライボロジーの効果を合計すると、非常に大きな効果を持つ技術『共通基盤技術』ということを意味します。そして1984年にトライボロジー技術センターをノースウエスタン大学に創立しました。そして米国潤滑学会 ASLE(American Society of Lubrication Engineers)は、STLE(Society of Tribologist & Lubrication Engineers)に改名しました。日本潤滑学会も1992年に日本トライボロジー学会としました。