製造業における多能工化とは
製造業における「多能工化」とは、複数の工程を担当できる、幅広いスキルを持った作業者を育成することです。
生産ラインにおいて、限られた工程しか担当できない人材ばかりでは、生産量の急な変動に対応することができません。その結果、納期遅れや特定の作業者への負担が発生してしまいます… そこで求められるのが作業者の多能工化です。
多能工化は、作業者のスキルの偏りを防ぐことにもつながり、技能伝承にも効果的です。

◎単能工との違いは?
「多能工」と対比される用語として、「単能工」があります。
複数の工程を幅広くこなせる多能工に対して、単能工は特定の工程に特化したスペシャリストといえる存在です。優れた技術を持った単能工ですが、作業の属人化が発生しやすい点が課題です。
多能工が求められる背景
製造業において多能工化が急務となっている背景には、さまざまなトレンドの変化があります。
大きな変化には、少子高齢化による労働力人口の減少があげられます。また男性の育休取得推進や、有給取得の促進のためにも、限られた人材で仕事を回せるような環境構築が必要です。
さらに消費者の趣向の多様化によって、多品種少量生産が増加していることなどがあげられます。
- 〈データで見る労働力人口の減少〉
経済産業省「ものづくり基盤技術の振興施策」によると、2022年度に263万人だった製造業の若年就業者(34歳以下)は、2023年度に255万人と、一年でも大きく減少しています。
製造業全体における若年就業者の割合で見ても、直近の20年間で30.6%から24.4%と、減少は顕著です。
多能工化の進め方
実際に多能工化に取り組むにあたり、進め方が不明確な場合には、以下の手順を参考に進めるといいでしょう。
〈検討する手順〉
作業を洗い出す
まずは多能工化の対象となる工程を選定するため、どのような作業があるのか洗い出す必要があります。もれなく作業を洗い出すためには、生産ラインの全体像を把握し、そこから細分化していくといいでしょう。
多能工化の対象となる作業には、「属人化していて、対応できる作業者が少ない作業」「業務効率が悪い作業」などがあげられます。
作業を標準化する
次に、作業の標準化を進めます。標準化とは、属人化している作業を見える化し、誰でもできるようにすることです。
標準化の一般的な手段に、マニュアル(手順書)の作成があげられます。マニュアルを作る際には、作業内容を言語化して資料にまとめます。
習得スキルの決定
スキルの習得にはある程度の時間がかかります。すべての作業者がすべての工程を担当できることが理想ですが、実際には優先順位をつけて取り組む必要があります。
優先すべきスキルを「誰に身につけさせるのか」「どういう順番で身につけさせるのか」を決める際には、現在保有しているスキルや退職の可能性などを複合的に考慮することが重要です。
作業者のスキルに合わせて研修を行う
誰にどのスキルを身につけさせるのかが決まったら、作業者のスキルレベルに合わせて研修を行います。
業務中に行うOJT(On the Job Training)と、研修室などで行うOFF-JT(Off the Job Training)を状況に合わせてうまく組み合わせることが重要です。
多能工化がなかなか進まない理由は?
人手不足が深刻化する中、多くの企業で多能工化が急がれています。しかし実際には、多能工化をうまく進められない工場が多いのが実状です。
多能工化が進まない理由には、研修担当者の負担が大きいことがあげられます。多能工化には多大な時間がかかりますが、人手不足が進む中、研修を行うのは容易ではありません。
多能工化をうまく進めるためには、教えられる側が理解しやすくかつ、研修担当者の負担が少ないマニュアルが必要になるのです。
おすすめは動画マニュアル、しかし苦手なことも…?
多能工化に欠かせないマニュアルですが、写真や文字だけでは説明に限界があるため、結局活用されていないケースも多くあります。そこでポイントになるのが、デジタルツールを活用したマニュアル作成です。
デジタルツールのなかでも、よく活用されているのが「動画マニュアル」です。動画マニュアルは「動き」を正確に伝えることができる、視聴型のマニュアルです。
〈動画マニュアルのメリット〉
- 直感的に理解しやすく、作業者の理解が早い
- 自習させることができ、研修担当者の負担が少ない
動画マニュアルは研修担当の負担が少なく、作業者の理解が早いため、多能工化の研修に最適です。またPCやタブレットを使うため、若手にも馴染みやすく、導入しやすいこともメリットです。
しかし万能に見える動画マニュアルでも、実は苦手とすることがあります。それは作業者の目線やリアルな現場の「体験」です。
動画による視聴型の研修は、見るだけでわかった気になってしまうことがありますが、特に多能工化が必要とされるような複雑な作業では、実際の理解につながらないことも多いのです。
VRによる多能工化の研修で、動画マニュアルの課題を解決
そこでいま注目されているのが、バーチャルリアリティーを使ったVR研修です。
VR研修は、バーチャルリアリティー(仮想現実)技術を活用したデジタル研修手法です。バーチャル空間に、実際の工場や工程を再現することで、リアルな体験型の研修を行うことができます。

〈VR研修のメリット〉
- 本人視点による疑似体験
- 360°ビューによる空間認知
- 作業者自ら手順を体験しながら進められる
能動的な体験は、学習定着率が高いことでも知られており、作業者の動き・スピードや注意ポイントなどの視点を自ら体験し理解することで、動画マニュアルよりも高い学習効果が期待できます。

研修プログラムの一部にVRを取り入れることで、作業者の多能工化をスムーズに進めていくことができます!
コロナ禍をきっかけに、動画マニュアルを活用する企業が増えています。それにともない、動画マニュアルから一歩進んだ、「自ら体験する」といった研修のニーズも増加しています。
VR研修は、複雑な作業が多い多能工化の研修に最適です。動画マニュアルによる多能工化の研修でお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
多能工化におすすめのVRソフト
- 製造業向けVRクラウドソフト
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大同メタルでは、自社工場で培った研修ノウハウをもとに、製造業に特化した「VRクラウドソフト」を提供しています。市販の360°カメラで撮影した熟練作業者の工程動画をアップロードするだけで、効果の高い研修コンテンツがかんたんに制作できるクラウドソフトです。
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